ダウン症児と学ぶ算数の勉強法「さんすうだいすき3」かずってなんだ?0~5までの数
2016/05/10
「さんすうだいすき」は、遠山啓(とおやまひらく)という数学者が、「水道方式」とよばれる算数の教え方を仲間と一緒に開発し、こどものための本にしたものです。
さんすうの力を伸ばすために活用した本なので紹介していきたいと思います。
今回は、「さんすうだいすき3」です
さんすうだいすき3では、0~5までの数を学びます。
まず、一対一対応の確認からスタートです。
タイルの数と動物や鳥などの数が対応させられますか?
◆具体物、タイル、数詞(読み方)、数字の4つの関係を学びます。
3、2、1、4、5、0の順番で、数をひとつずつじっくり学んでいきます。
なぜ3から教えるのか?にも理由があって面白いと思いました。
”数を数えるときも、あるまとまった量、それも子どもに一目でわかるぐらいの多さの量であることが大切。
例えば、1や2くらいでは数えてみようという気にならず、5よりも多いと数えるのに骨が折れる。そこで3こぐらいのものの集まりから数を数えてみようということになった。”
(授業をたのしく支援する 教えてみよう算数 小笠毅 より)←遠山真学塾を主宰されている方です。
授業をたのしく支援する教えてみよう算数―数の誕生から四則計算小数と分数単位あたり量まで
たてに並んだ4つのカードは仲間。「りんごの5個」も、「タイルの5個」も「5という数字」も、「ごという読み方」も、同じ5。それらの関係を理解しなければなりません。
( ↓ 教えてみよう算数を参考のつくったもの ↓ )
◆数は、どんな置き方をしても、どんな並べ方をしても、減ったり、増えたりしない。5は5だということを学びます
◆数は、0、1、2、3、4、5、と1個ずつ増えていく、5、4、3、2、1、0と1個ずつ減っていくということも知ります。
階段は、上ることも、作ることも好きでした。
百玉そろばんでもよく階段をつくっていました。
すでに、5までの足し算、引き算も学びますが、足すことの意味、引くことの意味を重要視して教えられています。
そして算数は、それを記号化(+、-、=)するということです。
◆数(字)は、何番目という順番をつけるためにも使います。
なにか一冊とってきてもらおうと決める。例えば、『はっぴいさん』、
「下から4段目で、右から7番目の本を、取ってきてくれる?」
と頼んでとってきてもらったりしました。(出来るまで、一緒にやり直ししていました。)
◆最後は、5の分解です。
0から5までのゼッケンをつけて、数のタイル絵つきのカバンをもったうさぎが6匹います。
0から5までのゼッケンをつけて、数のタイル絵つきのカバンをもったくまも6匹います。
うさぎとくまが手をつないで5になる組み合わせを見つける課題です。
例えば、うさぎ0とくま5、うさぎ2とくま3、うさぎ4とくま1・・・・
ただ5にするだけでなく、くまとうさぎという組み合わせも考えながらというところがもうひとひねりされていていいなと思いました。
5の分解カードです。表+裏=5にしてあります。数字の方は、マッチングもできるように2セット作っています。
家の娘は、どうだったのか?
3巻においては、特に問題があるところはないのですが、タイルばかりを使ってきたわけではないので、娘とってはタイルより指の方が安心できるものだというのは確かなようです。
その娘、数のカウントというものは、小さいころからやっていました。
お風呂で10数えてから上がる。
階段をのぼりながら、降りながら数える。
10数えたらおしまいにする。カウントダウンで0になったらおしまいにする。
しかしそれは、数の羅列にすぎず、5という数字が5個という量を表すことにはつながっていませんでした。
量としての数を知るために、指の数、家族の人数、かごに入っているみかんの数、積み上げた積み木の数、公園で拾った石の数、ままごとセットのコップやお皿の数・・・・
量としての数を意識してかかわる中で、5までの数カードで遊んだりしました。(五並べや、神経衰弱などのマッチング)
実際、目の前に5こあるみかんを、2つ食べると、残りは3こになるとわかったとしても、それを記号であらわす(5-2=3)ことは難しいことでした。
黒豆(枝豆)を娘の皿に数えながら10こ入れ、引き算実況中継みたいなこともしました。
「食べてくださ~い。おはしでうまくつまんで食べられるでしょうか?おっ、うまい!
10個のうち、1個食べました。10-1=9残り9個です。
10個のうち、2個目食べました。10-2=8残り8個です。
10個のうち、3個目食べました。10-3=7残り7個です。
・・・・・・
残り少なくなってきました。
10個のうち、9個目食べました。10-9=1いよいよ残り1個です。
最後10個目食べました。10-10=0残り0個です。
きれいにたべました。さすがです。」
一個ずつ減っていくバージョンやりました。
「5個あるいちご、1個食べました。5-1=4、4個になりました。
また1個食べました。4-1=3、3個になりました。
またまた1個食べました。3-1=2、あと2個です。
2個のうち、1個食べました。2-1=1、1個になってしまいました。
最後の1個食べました。1-1=0、0個になってしまいました。」
そしてまた、限りある時間のなかで、「計算ができる」ことより、「計算の意味を理解する」に重きを置いてやってきたので、
現在、四則計算はできるものの、遅いしミスもあります。
計算を重点的にやってきた子とは違うところが伸びたと思いたいけど、ちょっと微妙だな・・・と思うのも事実です。
算数の面白みを一番感じたのは、教えてきた私かもしれません。
まとめ
0から5までの数をひとつずつじっくり学んでいきます。5の分解や5までの足し算や引き算の概念も理解していきます。たかが数字、されど数字。簡単なようで難しい。
数を日常生活のなかに、上手にとりいれていきたいものです。
表紙が違うのは↓復刊された商品だからです。私の本は、絶版になっていたものを古本で探して買ったからです。
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